专利摘要:

公开号:WO1991008194A1
申请号:PCT/JP1990/001576
申请日:1990-12-05
公开日:1991-06-13
发明作者:Kenji Fujiwara;Nobutaka Ueda;Yuuji Matsuu;Hiroshi Kato;Atsuhiko Hiai
申请人:Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated;
IPC主号:C07C227-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] グ リ シ ン の製造方法
[0003] [技術分野 ]
[0004] 本発明 はグ リ シ ン の製造方法に 関す る 。 特に 、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルと ア ン モニ アお よ び炭酸ガス を反応さ せ て グ リ シ ン を製造す る方法に関す る 。
[0005] [背景技術 ]
[0006] グ リ シ ン は加工食品の食品添加剤や農薬、 医薬の原 料 と し て広 く 使用 さ れて い る有用 な化合物であ る 。
[0007] 従来のグ リ シ ン の製造方法 と し て は、 主 と し て モ ノ ク ロ ル酢酸の ア ミ ノ ィヒ法、 ス ト レ ッ カ ー法、 ヒ ダン 卜 イ ン 法等が知 られて い る 。 モ ノ ク ロ ル酢酸法は毒物で あ る シ ア ン化水素を使用 し な い と い う 長所があ る が、 2 級お よ び 3 級 ァ ミ ン 同族体が副生 し 、 グ リ シ ン収率 が低い。 ま た、 ス ト レ ッ カ ー法は反応時に副生す る ィ ミ ノ ジ酢酸塩や加水分解後の中和塩の分離が必要であ る 。
[0008] ヒ ダ ン 卜 イ ン法は シ ア ン化水素 と ホルム ァ ノレデ ヒ ド を原料 と し て得 られる 、 ヒ ダン 卜 イ ン を経由 し 、 そ の 加水分解に よ り グ リ シ ン を製造す る 方法であ る 。 た と え ば、 シ ア ン化水素 と アルデ ヒ ド と ア ン モ ニ ア お よ び 二酸化炭素 を水溶媒中 で 1 G (TC以上で加熱 す る 方法 ( ϋ S P 3 , 5 3 6 , 7 2 6 )の他に 、 水媒体中 シ ア ン化水素 と ホ ル ム ア ル デ ヒ ド お よ び炭酸 ア ン モ ニ ゥ ム を 力!]熱 す る 方 法、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル、 ア ン モ ニ ア お よ び炭酸ガス を 加熱反応さ せ、 未反応の ア ン モニ ア と 炭酸ガス を除去 し た後、 アルキルア ミ ンあ る いは アルキノレア ン モニ ゥ ム ノ ィ ド ロ ォ キ シ ド で処理す る 方法、 グ リ コ ロ ニ ト リ ル、 ア ン モニ ア お'よび炭酸ガス を加熱反応さ せ、 未反 応の ア ン モ ニ ア と 炭酸ガス を除去 し た後、 鉱酸で処理 し て加水分解す る方法、 グ リ コ 口 ;.'ト リ ル、 ア ン モニ ァ お よび炭酸ガス を加熱反応さ せ、 ついでア ルカ リ 金 属あ る い は アルカ リ 土類金属の水酸化物、 炭酸塩お よ び重炭酸塩等の ア ル力 リ 性物質で処理す る 方法等が知 ら れて レヽ る 。
[0009] し か し なが ら 、 こ れ ら の方法は いずれ も副生成物が 多 く 、 グ リ シ ン選択率が充分 と は いえ な い。 ま た、 ァ ルカ リ 性の塩あ る いは金属で ヒ ダン ト イ ン類を加水分 解す る 方法ではグ リ シ ン の選択性は向上す る が、 仕込 ん だグ リ コ ロ ニ 卜 リ ルに対 し て等モル以上の アル力 リ を必要 と す る だけでな く 、 グ リ シ ン塩を加水分解す る 必要があ る 。 ま た、 生成 し た副生塩た と え ば硫酸ナ 卜 リ ゥ ムゃ食塩等の塩 と グ リ シ ン と の分離工程が煩雑 と な り グ リ シ ン 製造の経済性を大 き く 損な う だ け で な く 、 こ の塩の処理が問題 と な る 。 ま た、 工業的 に実施 す る に はグ リ シ ン を結晶 と し て液か ら単離す る 必要が あ る が、 こ の場合のグ リ シ ン収率は ワ ンパスグ リ シ ン 収率 よ り も 然、 更に悪 く な る 。
[0010] 前述 の ϋ S P 3 . 5 3 6 , 7 2 6に お レ、 て ヒ ダ ン ト イ ン を経 由 し 、 こ の よ う. な副生塩を生成せず、 反応液か ら グ リ シ ン の大部分を析出 さ せ、 そ の析出 さ せ たグ リ シ ン を分 離 し た残液 (以下、 母液 と 略記す る ) を反応帯へ循環 す る 方法 (以下、 母液循環法 と 略記す る ) が開示さ れ て い る が、 更な る グ リ シ ン収率の向上お よ び副生物の 低減が望 ま れて い る 。
[0011] 本発明 者 ら は ヒ ダ ン 卜 イ ン 法グ リ シ ン 製造 に お い て ; グ リ シ ン収率を向上さ せ る 方法を鋭意検討 し た と こ ろ 、 ま ず本反応温度よ り も低い温度で、 予めグ リ コ ロ ニ 卜 リ ルを前反応さ せてグ リ コ ロ ニ 卜 リ ノレよ り も安 定な他の化合物に変換 し 、 次いで、 よ り 高い所定の温 度で本反応を行 う こ と に よ り 、 グ リ シ ン お よ びグ リ シ ン変換可能な生成物の収率が大幅 に 向上す る こ と を見 い 出 し本発明 を完成 し た。
[0012] [発明の 開示 ] .
[0013] 本発明 に従え ば水の'存在下、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル、 炭 酸ガス お よ びア ン モニ ア を反応さ せて グ リ シ ン を製造 す る 方法であ っ て 、
[0014] ま ず、 水、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル、 炭酸ガス お よ びア ン モニ ァ を 8 0〜 1 2 (TC、 0 . 5 〜 : [ 時間で前反応せ し め、 次いで、 1 5 0〜 2 0 (TCで主反応さ せ る こ と か ら な る 前記方法が提供さ れる 。
[0015] 本発明 の最も好ま し い態様は、 グ リ シ ン が、 こ れを 含有す る 反応液 と し て得 られた も のか ら 、 グ リ シ ン を 晶析等の分離手段で分離 し 、 か く し て反応液か ら グ リ シ ン を 分離 し た 残 り の母液 を 、 水 、 グ リ コ ロ ニ ト リ ル、 炭酸ガス お よ びア ン モニ ア か ら な る 系 に循環 し て 前反応お よ び主反応を行 う も の で あ る 。 以下 こ れを母 液循環法 と 称す る 。 本発明で重要なの は、 グ リ シ ン生成反応の前段で、 該生成反応温度よ り も低い温度す なわち 、 8 0〜 1 2 0 °C で水の存在下、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルを炭酸ガス 、 ア ン モ ニ ァ と 予め前反応さ せ る こ と であ る 。 か く す る こ と に よ り グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルは よ り 安定な化合物に変換せ し め ら れる 。 ま た こ れに よ り 、 以下に のべ る よ う なグ リ シ ン に変換可能な副生成物が得 られる の で 、 こ の前反 応 と 母液循環法を組み合わせ る こ と に よ り 、 更な る グ リ シ ン単離収率の向上が期待で き る 。
[0016] 本発明 で使用す る グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルは青酸 と ホルマ リ ン を原料 と し て製造さ れる 。 こ の方法が最も一般的 で経済的なグ リ コ ロ ニ ト リ ルの製造方法である 。 ホル マ リ ン源 と し てノ ラ ホルム アルデ ヒ ド を水に溶解 し て 使用 す る こ と がで き る が、 グ リ シ ン製造にお いてグ リ コ ロ ニ ト リ ル濃度は特に制限がない ため に ホルマ リ ン と し て約 3 7重量% ホルマ リ ン を使用 す る こ と は最も経 済的で簡単な方法であ る 。 こ の反応は定量的 に進行す る た め に 、 こ の よ う に し て得 られる グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル 濃度は約 5 0重量% と な り 、 こ の 5 0重量%グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液をその ま ま グ リ シ ン製造用 の原料 と し て使 用 す る こ と は極めて妥当で、 ま た、 経済的であ る 。 ま た 、 本発明の方法で使用 さ れる グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶 液 に グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルの安定剤 と し て用 レヽ ら れて レヽ る 硫酸ゃ リ ン酸等を含有 し て いて も なん ら支障はな い。
[0017] グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液は炭酸ガス お よ びア ン モニ ァ と 接触す る ま では重合、 分解、 あ る い は、 こ れに伴 う 着色 を防止す る 意味か ら も低い温度で保存す る こ と が好 ま し い が 、 4 0 °C以下 に 貯蔵さ れて い れ ば 、 実質 上、 差 し仕え は な い。
[0018] 本発明 の方法で使用 す る ア ン モニ ア お よ び炭酸ガス は こ れ ら をそ の ま ま使用 し て も よ いが、 反応条件下で こ れ ら の化合物 ( ア ン モニアや炭酸ガス ) を 成す る 当業者間で公知の化合物、 た と え ば、 炭酸ア ン モニ ゥ ム ゃ重炭酸ア ン モニ ゥ ム を使用 し て も よ い。 ま た 、 こ れ ら を混合 し て使用 し て も好ま し い結果が得 られる 。
[0019] ア ン モニ ア の使用量は、 グ リ コ ロ ニ ト リ ルの合計量 1 モルに対 し 、 2 〜 1 2モルであ る 。 好ま し く は 4〜 9 モルの範囲であ る 。 ア ン モニ ア の使用量が ? モルに満 た な い と 反応が遅 く な り 、 1 2モルを越え る と 反応速度 は速 く な る が、 副生成物が増加 し て反応圧力 も 高 く な り 好 ま し く ない。
[0020] 尚 、 グ リ コ ロ ニ ト リ ルの合計量 と は 、 反応器 に供給 さ れ る新グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル と 、 母液循環法に お いて循 環母液に含ま れる 後述す る そ の母液中のグ リ シ ン に変 換可能な副生成物をグ リ コ ロ ニ ト リ ルに換算 し た も の と の合計であ る 。
[0021] 炭酸ガス の使用量は ア ン モニ ア 1 モルに対 し 1 / 3 〜 1 モルであ り 、 反応速度、 反応圧力の観点か ら 略 1 / 2 モ ルが好 ま し く 用 い られる 。
[0022] 水の使用量は ア ン モニ ア 1 モルに対 し 5 〜 1 5モルで あ る 。 水の使用量が 5 モルに満 た な い と グ リ シ ン の選 択率 が悪 く な り 、 グ リ シ ン の 晶析率 は極端 に 低下 す る 。 一方 、 1 5モ ルを越え る と グ リ シ ン の選択率は向上 する が反応液中のグ リ シ ン濃度が低下し、 晶析のため の濃縮コ ス 卜 が増大する だけでな く 反応器容積も大き く な り 経済的でない。 ま た、 反応温度を高目 に設定し た場合の こ の モル比は大きい方が好ま し く なる。
[0023] 反応圧力は特に制限はなく 、 反応中に発生する圧力 以上で行 う こ と も、 ま た、 反応中に発生する ア ンモニ ァ 、 炭酸ガスある いは溶媒の蒸気等を適宜抜き出 して も反応させる こ と ができ る。
[0024] 本発明の方法における反応温度は低い方がグ リ シン の収率は向上するが、 反応速度は く なる 。 し たがつ て、 反応温度は 1 5 G 〜 2 0 0 °C , 好ま し く は 1.5 0 〜 1 8 0 X: さ ら に好ま し く は 1 5 0 〜 1 7 0 °Cである 。
[0025] 本発明の方法で得られる反応液中にはグ リ シン、 ヒ ダ ン 卜 イ ン 酸、 グ リ シルグ リ シ ン 、 ヒ ダン ト イ ン 酸ァ ミ ド 、 卜 リ グ リ シ ン 、 ヒ ダ ン ト イ ン 、 2 , 5 -ジケ 卜 ピぺ ラ ジ ン等の副生成物が含有されている 。 まず これらの 副生成物を含む反応液か ら後述する晶析法等に よ り グ リ シ ンを分離する 。 分離したあ との母液中に含有され る これら副生成物を水、 グ リ コ ロニ 卜 リ ル、 炭酸ガス お よ びア ン モニ アか らなる系の反応 (よ り 正確には前 反応およびノま たは主反応) を行う 反応器へ循環する こ と に よ り グ リ シ ン収率は大幅に向上する こ と を本発 明者 らは見出 し た。 これは、 これら副生成物 と グ リ シ ンが反応中は平衡に存在し、 上記母液をかかる反応を 行 う 反応器 (以下単に反応器と い う ) へ循環する と晶 析法 に よ り 分離、 除去 し たグ リ シ ン量だけ平衡が副生 成物か ら グ リ シ ン側に移行す る と い う 我 々 が発見 し た 新規 な知見 に よ る と 考え られる 。 し たがっ て、 こ の母 液を反応器 ( と く に主反応を行 う 領域) へ循環す る こ と に よ り 結晶 と し て単離さ れたグ リ シ ン のグ リ コ ロ ニ 卜 リ ル に 対 す る 収率 [単離収率 ; 尚一般的 に.流中 の も の を 収率 (yield) と し 、 単離 し た も の は単離収率 (isolated yield) と す る ] は 75 %以上に も 向上す る こ と を我々 は見出 し た。 母液を循環 し な い場合は ワ ンパ ス の グ リ シ ン収率が高 く て も 、 それか ら実際に結晶 と し て単離 し 単離グ リ シ ン収率はせいぜい 6 G %程度で あ る 。 す なわ ち 、 少な く と も 、 上述 し た副 ^成物は本 発明 で規定す る反応条件下でグ リ シ ン に変換可能であ る と 考え られる 。 母液を反応器へ循環す る 方法に お い て は 、 ワ ンパス のグ リ シ ンへの収率 に母液中の上記変 換可能な副生成物のグ リ シ ン へ の変換量が加算さ れ、 結局単離さ れる グ リ シ ン の収率す なわ ち単離収率 も 高 く な る 。
[0026] グ リ シ ン お よ びグ リ シ ン に変換可能な副生成物の反 応中 の 組成 は 、 反応温度、 ア ン モ ニ ア 、 炭酸ガ ス 、 水、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル濃度お よ び反応時間 に よ り 決定 さ れ る が、 前反応時間があ ま り 長い と グ リ シ ン生成主 反応温度での平均滞留時間 も 合わせ た合計の平均滞留 時間 があ ま り 長 く な り 経済的でな い。 ま た、 前反応時 間があ ま り 短い場合はそ の効果は微小であ る 。 好 ま し い前反応時間は 0.5 〜 1 時間で あ る 。 ま た 、 前反応温 度が 8 (TCよ り 低い場合はグ リ コ ロニ 卜 リ ルの着色物質 への副反応量が多 く な り 、 グ リ シンおよびグ リ シン に 変換可能な副生成 の収率が低下する 。 ま た、 前反応 温度が 1 2 0 ^よ り あま り 高く なる と前反応の効果が発 現 し ない。 更に好ま しい前反応温度は 1 0 Q 〜 1 2 Q eCで あ る 。 こ の前反応の方法は、 グ リ シン生成主 応器の 前段に別の予備反応器を設置して行っ て も よい し、 ま た、 滞留時間に応じて縦長の管型反応器の入口か らの 一定区間を 8 0〜 1 2 0 eCに制御 して こ の区間 (領域) で 前反応を行わ しめる こ と によ り 行う こ と もでき る。
[0027] なお、 予め 8 0〜 1 2 0 °Cに予熱し た水、 炭酸ガスおよ びア ン モニ ア にグ リ コ ロニ 卜 リ ルを供給して該温度で 前反応させる こ と がよ り 好ま しい。
[0028] 原料のグ リ コ ロニ ト リ ルは、 反応器へ循環する母液 中のグ リ シ ン に変換可能な副生成物をグ リ コ ロニ 卜 リ ルに換,算した量と の合計が一定になる よ う に供給する こ と が好ま しい。
[0029] 本発明の方法で得られた反応液は 5 0〜 1 2 0 でで濃縮 して反応混合物よ り 水の大部分、 ア ン モニ アおよび炭 酸ガスを分離 ♦ 除去する 。
[0030] 次に、 反応混合物を 5 〜 8 0 °Cに冷却 して、 グ リ シ ン 結晶を含む 液を得る 。
[0031] こ の反応混合物か らグ リ シ ン を晶析させる方法は当 業者間で公知の方法で行われ、 本発明の方法を限定す る も の で は な い。 た と え ば、 冷却晶析法、 蒸発晶析 法、 真空晶析法等の晶析法が工業的に好ま し く 使用さ れ る 。
[0032] こ の晶析 に よ り 得 られたグ リ シ ン結晶を含む母液は 次 い で 、 汎用 の 分離器 を 使用 し て 固液分離 さ れ、 通 常、 グ リ シ ン の 5 0 %以上が分離さ れる 。 一方、 得 られ た母液の全部あ る い は一部が反応工程へ供給さ れる 。 又 、 所望 に よ り 脱色工程 を経 た母液の全部 、 ,あ る い は 、 一部をパー ジ し た母液を循環 し て も好 ま し い結果 が得 られる 。
[0033] ま た 、 本発 明 の 方法で循環 さ れ る 母液中 の グ リ シ ン 、 グ リ シ ル グ リ シ ン 、 卜 リ グ リ シ ン 、 ヒ ダ ン ト イ ン 、 ヒ ダ ン ト イ ン 酸、 ヒ ダ ン 卜 イ ン 酸 ア ミ ド 、 2 , 5 -ジ ケ 卜 ピぺ ラ ジ ン等の副生成物の量は反応液中の グ リ シ ン量 と 副生成物量お よ び目 的 と す る グ リ シ ン の純度に よ り 決定さ れる 晶析率 に よ っ て異な る 。 す なわ ち 、 高 純度のグ リ シ ン を製造す る ため に グ リ シ ン の晶析率を 低 く す る と 、 母液の リ サイ ク ル量が増大 し 、 濃縮 · 晶 析 の た め の エ ネ ルギー が多 く な り 好 ま し く な い 。 一 方、 こ の リ サイ ク ル量を少な く す る ため に晶析率を高 く すれば、 一般的 に は得 られる グ リ シ ン の純度が低下 す る 。 し たがっ て 、 通常、 母液中の換算グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル量は、 新 た に供給す る グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルに対 し 3 0 モ ル%以上 2 0 0モル%以下であ る 。
[0034] 本発明の方法は回分式で も 、 ま た、 半流通式、 あ る い は 、 流通式で も 行 う こ と がで き る 。
[0035] [実施例 ]
[0036] 本発明 の方法を実施例 に よ り 詳細 に説明 す る 。 実施例 1
[0037] 1 時間あた り 、 25。Cの 50wt%グ リ コ ロニ 卜 リ ル水溶 液 230g (2.01mol) と 100 で に予熱 し た ア ン モニア 206g (12. Imol) 、 炭酸ガス 267g (6. Imol)を含有する水溶液 1990 g と を混合し たものを、 内容積が 10£ の管型反応 器下部へ供給し た。 反応は反応器の入口か ら 1 5 の部 分を 100 °Cで制御し、 残 り の 4/5 を 150 でで制御する 方法で行い、 ま た'、 反応圧力は 50kg/cm2で行っ た。 原 料組成はモル比で H20 Z NH3 / C02 /グ リ コ ロニ ト リ ル: = 45Z 6ノ Z/ 1であ り 、 100 。Cでの平均滞留時間 は 1 時間、 150 °Cでの平均滞留時間は 4 時間であ り 、 合計 5 時間に相当する 。 .
[0038] 定常になっ た時に反応液を濃縮器で濃縮し、 水、 ァ ンモニァおよび炭酸ガスを除去 して晶析を行い (晶析 率 55% ) 、 1 時間.あた り グ リ シ ン 0.890mo 1 (純度 98.2 % ) を分離し た。 残っ た母液を分析し た結果、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルに換算して 0.97mol の ヒ ダン 卜 イ ン酸、 グ リ シルグ リ シン 、 ヒ ダン 卜 イ ン酸ア ミ ド 、 2.5 -ジケ 卜 ピぺ ラ ジ ン 、 ヒ ダン 卜 イ ン 、 卜 リ グ リ シ ン お よ びグ リ シ ン が検出された。 こ の よ う に初期供給用の母液を調 製 し た。 上記操作においてグ リ コ ロニ ト リ ル基準のグ リ シ ン の収率お よ びグ リ シ ン に上記検出された副生物 の収率を加え た も の をそれぞれワ ンパス グ リ シ ン収 率、 H-GLY (Hypothetial グ リ シ ン y i e 1 d )と し て第 1 表 に示 し た 。 次いで、 グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルをグ リ コ ロ ニ 卜 リ ル合計量と読み替えた前記.原料組成 ( モル比) と 同 じ に な る よ う に こ の母液 と 5 Owt % グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水 溶液お よ び炭酸ア ン モニ ゥ ム水溶液を反応器へ供給 し た 。 す なわ ち 、 こ の母液 と 50 w t % グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水 溶液 118g (1. 04mol) お よ び炭酸 ア ン モニ ゥ ム と し て 6. 1 mo 1を含む水溶液を反応器へ供給 し 、 定常に な っ て か ら 24時間反応を行っ た。 こ の結果、 単離グ リ.シ ン と し て 1.64kg回収さ れた (晶析率 55% ) 。 こ れは供給グ リ コ ロ ニ 卜 リ ルに対す る 収率 ( グ リ シ ン単離収率) と し て 88. 2% に相当す る 。 結果を第 1 表に示す。
[0039] —方、 定常に,達 し て か ら 、 反応液の一部を別途サン プ リ ン グ し濃縮率を上げ、 よ り 多量のグ リ シ ン を晶析 さ せ た。 こ の結果晶析率 66% で純度 98. 0% グ リ シ ン を分離す る こ と がで き た。 す なわ ち 、 実施例 1 の方法 に お いて晶析率を 55 % か ら 66 % に も高め る こ と がで き る こ と を意味す る 。 こ の条件を採用 すれば、 母液の循 環量を さ ら に少な く す る こ と が可能であ る 。
[0040] 比較例 1
[0041] グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液 と 炭酸 ア ン モニ ゥ ム水溶液 を 25でで混合 し 、 前反応を行わず全滞留時間が同 じ に な る よ う に し た他は実施例 1 と 同様の方法で行っ た。 結果 を第 1 表に示す。
[0042] 比較例 2
[0043] 前反応を行わず、 予め 150 での反応温度 に予熱 し た 炭酸 ア ン モニ ゥ 厶水溶液に グ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液を 混合 し て 反応 し た他 は実施例 1 と 同様の 方法 で行 つ た 。 結果を第 1 表に示す 。 こ の比較例において、 定常になつ た反応液の一部を 別途サンプ リ ングし、 濃縮率を上げ、 よ り 多量のグ リ シ ン を晶析させる こ と を試みた。 と こ ろ が濃縮途中で 反応液の粘度が急激に増加 して、 タール状と な り 、 晶 析操作は全く 不可能と なっ た。 この こ と は、 比較例の 場合、 グ リ シン収率が低い分、 晶析操作を妨寶する不 純物 (副生成物) が多量に副生蓄積する ため と推察さ れる 。 なお、 反応液中の副生物が少ない場合、 い く ら 濃縮率を上げて も タール状 と なる こ と はな く 、 常に晶 析操作が可能で あ る こ と を本発明者 ら は確認 し て い る 。
[0044] 実施例 2 .
[0045] 120 eCに予熱し た炭酸アンモニゥ ム水溶液にグ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液を混合し、 120 eCで 0.5 時間前反応 を行い、 全滞留時間が同 じ よ う になる よ う に主反応を 行っ た他は実施例 1 と 同様の方法で行っ た。 結果を第 1 表に示す。
[0046] 実施例 3
[0047] 原料組成をモル比で H20 / NH3 / C02 グ リ コ ロニ ト リ ル = 45Z 5/ 2. 5ノ 1と し、 前反応の反応時間を 0. 5 時間 と し、 主反応の反応温度を 170 で、 反応時間 を 2 時間 と し た他は実施例 1 と 同様の方法で行っ た。 結果を第 1 表に示す。
[0048] さ ら に、 実施例 1 と 同様に反応液の一部を別途濃縮 し て 、 高濃縮率と し た結果、 グ リ シンを晶析率 62 % 、 純度 97. 8 % で分離す.る こ と がで き た。 実施例 4
[0049] 炭酸ア ン モニ ゥ ム水溶液予熱温度お よ び前反応の反 応温度を 1 2 G で に変え た他は実施例 3 と 同様の方法で 行 っ た。 結果を第 1 表に示す。
[0050] 比較例 3
[0051] 前反応を行わず、 予め 1 7 G Cの反応温度に ^:熱 し た 炭酸 ア ン モニ ゥ ム水溶液にグ リ コ ロ ニ 卜 リ ル水溶液を 混合 し て 反応 し た他 は実施例 3 と 同様の方法 で行 つ た 。 結果を第 1 表に示す。
[0052] さ ら に実施例 3 と 同様に 、 反応液の一部を別途サン プ リ ン グ し て濃縮す る こ と を試み た。 と こ ろ が濃縮途 中で反応液が比較例 2 と 同様に タ ール状 と な り 、 晶析 操作は全 く 不可能 と な っ た。 す なわち 、 比較例の場合 は濃縮率を上げた場合す ぐ に晶析出来な く な る と い う 大 き な問題があ る こ と がわか る 。
[0053] 以上の ご と く 、 グ リ シ ン生成時の不純物の蓄積は晶 析操作に大 き な影響を与え ひいて はグ リ シ ン の晶析率 が大巾 に変化す る こ と に な る 。
[0054] 本発明 の方法に従え ば、 たん に収率が向上す る だけ で な く 、 こ の よ う な不純物の蓄積が少ない ので、 相当 高度 に濃縮率を向上さ せて も 晶析操作が妨害さ れな い と い う 大 き な特徴を有す る 。 酷マ 、ノ 千 ニゥム HU 反 主 反 応 全滞留 ヮ ンパス収率% * リ 、、ノ 、ノ
[0055] 攀
[0056] 実 施 例 水溶液の予熱温度 単離収率 温 時, 間 温
[0057] . (°c) (°C) (hr) (°cy 時' (hr) (hr) グリシン H-GLY
[0058] ( % ) 実施例 1 100 100 1.0 150 4.0 5.0 79.6 93.8 88.2 比較例 1 25 150 5.0 5.0 70.3 82.7 ' 78.1 比較例 2 150 150 5.0 5.0 76.4 88.9 82.5 実施例 2 120 120 0.5 150 4.5 5.0 79.9 92.9 88.1 実施例 3 100 100 0.5 170 2.0 2.5 65.4 89.2 83.2 実施例 4 120 120 0.5 170 2.0 2.5 65.6 90.3 82.9 比較例 3 170 170 2.5 2.5 62.1 85.0 77.9
[0059] H-GLY : グリシン +ヒダン トイン酸 +グリシルグリシン +ヒダン卜イン +ヒダン卜イン酸アミ ド + ト リグリ シン + 2, 5-ジケ卜ピペラジン-成分のグリコロニ卜 リルに対する取率 (%)
[0060] [産業上の利用可能性 ]
[0061] 本発明 に お いて はグ リ シ ン製造時にお け る原料を前 反応さ せる こ と で安定な化合物を得、 且つグ リ シ ン に 変換可能な物質を も収率良 く 得 られる 。 し たがっ てグ リ 'シ ン (特に実際に結晶 と し て得 られる グ リ シ ン ) の 収率が大巾 に 向上す る 。 さ ら に 、 廃液が出 ないブロ セ ス で も あ る 母液循環法に適用 す る こ と でグ リ シ ン収率 を更 に大巾 に 向上さ せ る こ と がで き 、 ヒ ダン ト イ ン経 由 の グ リ シ ン製造を工業的 に実施可能な方法に ま で向 上さ せ た。
权利要求:
Claims請 求 の 範 囲
1. 水の存在下、 グ リ コ ロニ 卜 リ ル、 炭酸ガスお びア ン モニ アを反応させてグ リ シンを製造する方法で あ っ て、
ま ず、 水、 グ リ コ ロニ ト リ ル、 炭酸ガスおよびア ン モニ ァを 80〜 120°C、 0. 5 〜 : L 時間で前反応せしめ、. 次いで、 150〜 20(TCで主反応させる こ と か らなる 前記方法。
2.グ リ シンが、 これを含有する反応液と して得られ る請求の範囲第 1 項記載の方法。
3. 反応液か らグ リ シ ンを分離する工程を含む請求 の範囲第 2 項記載の方法。 .
4. グ リ シンの反応液か らの分離が晶析に よ り 行わ れる請求の範囲第 3項記載の方法。 '
5. 反応液 ら.グ リ シ ンを分離し た残 り の母液を、 水、 グ リ コ ロニ ト リ ル、 炭酸ガスおよびア ン モニ アか ら な る系に循環して前反応およびノま たは主反応を行 う 請求の範囲第 1 項記載の方法。
6. 予め 80〜 120 °Cに予熱し た水、 炭酸ガスおよび ア ン モニ ア に 、 グ リ コ ロニ 卜 リ ルを導入して、 該温度 で 0. 5 〜 1 時間前反応させる請求の範囲第 1 項記載の 方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
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引用文献:
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法律状态:
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1991-06-13| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU NL SE |
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1991-11-21| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1991900338 Country of ref document: EP |
1995-11-02| WWG| Wipo information: grant in national office|Ref document number: 1991900338 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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JP31513989||1989-12-06||DE69023328T| DE69023328T2|1989-12-06|1990-12-05|Verfahren zur herstellung von glycin.|
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